初夏の着物旅行|コーデや持ち物、旅先の着付け、失敗談も!

着物で旅行

5月下旬に着物で一泊二日の旅行へ行ってきました。行き先は日光の中禅寺湖周辺で、山の上のほうにある坂道の多いエリアです。2日間アクティブに予定を詰め込んで、たくさんの観光スポットを訪れました。1日あたりの歩数は17,000歩。つまり2日間で34,000歩近くも動き回ったことになります!

同じ着物旅行でも、シーズンや目的地、現地での過ごし方によってコーディネートや持ち物の構成が変わってきます。ここでは、初夏の山でアクティブに動き回る着物旅行の情報をまとめます。



当日の着物コーディネート

今回はアクティブに動き回る旅行なので、汚れたり汗をかいたりしても心配のいらない、洗える着物と帯で向かいました。綿麻の着物に、麻の長襦袢。半幅帯は綿で、桐生のブランドOLNさんのもの。サングラスやリュックサックと合わせたかったので、洋装風の色使いです。足元はお馴染みカレンブロッソの草履。勝手に”着物界のスニーカー”と称して、長距離の徒歩移動でも頼りにしています。

事前に調べたところ、栃木県の最高気温は23℃~27℃とのこと。わたしが住む埼玉県よりも2~3℃涼しいようでしたが、初夏の着物は基本的に暑いので、夏寄りの単衣を選びました。ちなみに、このときの判断にちょっとしたミスがあったようです。後ほど失敗談のほうもご覧くださいね(笑)。


持ち物は必要最小限に

着物で旅行をすると持ち物が多くなるイメージがありますが、今回着物に関連するアイテムで持参したのは、これだけです。

着物クリップ半幅帯の着付けに使います。
腰紐着付けに必要な分だけ持参します。1本予備に持っておくと、いざという時にたすき掛けにも使えます。
替えの下着類インナーや足袋類など気になる物を持参します。宿泊施設の洗濯機を使える場合は、替えが不要になることも。
手鏡宿泊先の洗面所などで合わせ鏡のように使うと、背中側をチェックするのに便利です。いつも化粧直しで持ち歩くようなものでOK!

一泊二日の旅行で、かつコーディネートを変えずに過ごすのであれば、リュックサックやトートバッグだけで身軽にお出かけできます。一方で、着物や帯をもう1枚持っていくとなると、やはり荷物は多くなりますね。着物は畳むとコンパクトになりますが、シワにならないように持ち運ぶならキャリーバッグが適していて、素材によっては1枚でもそれなりの重さになります。2日目のコーデを変えたい場合、それほど荷物にならない半幅帯や帯小物だけ余分に持っていくのもアリだと思います。このあたりは、旅行の目的によって考え方が変わる部分です。


旅先の着付けで気をつけたこと

宿泊ありの旅行では、ホテルや旅館で着付けをする必要があります。宿泊施設では普段と同じ環境で着付けができません。全身の見える鏡がなかったり、紐類を置いておく手頃な場所がなかったりと、ほんの些細な環境の違いが積もり積もって、着付けにかかる時間がかさみやすいです。旅行中はチェックアウトや交通機関の発着時刻などいつも以上に遅れが許されない状況にあります。普段の着付けの平均的な所要時間に加えて、メイクや髪型を整える時間も含めて、部屋を出るまでに全体でかかる時間を把握しておくと慌てずに済みそうです。普段の着付けよりも多少の余裕をもって着付けを始めました。

それから、今回は身軽さを優先して補正を最小限にとどめたので、着崩れやすい前提でのぞみました。自分の着付けの癖を知っていると、崩れやすい部分がわかるので、手直しもしやすいです。ほんとうのことを言うと着崩れてこなければもっと嬉しいのだけど、旅行のように万全ではないシーンではなかなか難しいですね……!


着物旅行で工夫して良かったこと

半幅帯はバス移動も楽だった

半幅帯はカルタ結びにしました。背中がぺたんこになる結び方をすると、リュックサックを背負ったり、狭い座席に座ったりしやすく、旅での利点が多くあります。特に、今回はバス移動の回数が多かったので、狭い座席でも混雑する時間帯でもストレスなく過ごせました。観光地のバスでは、人混みをかき分けて乗り降りすることもあるので、背中側の不安は無いに越したことがありません。軽くて面積が狭いので、疲れにくいのも嬉しいですね。朝の着付けも時短になりますし。ただ、半幅帯は面積が狭い分、緩みや着崩れが起きやすいので、三分紐込みでコーデしたり、手直しに慣れておくと良いかと思います。

EVA台の草履は悪路も安心

草履はEVA台で丈夫なカレンブロッソのカフェ草履を選びました。坂道や軽い山道(歩道として整備されているが、コンクリで舗装はされていない程度のイメージ)でも問題なく歩けて、疲れにくいのが良いですね。ハイキング目的ではなく、あくまで観光スポット間の移動程度であれば、歩き慣れている人なら疲労感はスニーカーとほとんど変わらないのではないでしょうか。軽い雨が降っても心配がないので、旅行に向いているアイテムだと思います。お手入れしやすく、帰宅後にソールの側面や底の汚れを拭き取るだけできれいになるのも安心です。うっかりソールの側面を擦ってしまうこともよくありますからね。


着物旅行の失敗談

サングラスをかけた着物の人
こう見えて遊覧船の屋上も肌寒い

さて、今回の着物コーデで大きく失敗したことがあります。それは、現地の気候を十分に考慮していなかったことです。

きちんと栃木県の天気予報を見てコーデを考えたのですが、実は日光市の気温は宇都宮市よりもさらに低くなるそうです。中禅寺湖周辺は、山道をバスでくねくねと上ってたどり着くような標高の高いエリア。地元の感覚だと5月下旬は曇天でもじっとりとした暑さがありますが、山の上のほうは湿気がなく、からっとした冷たい風が吹いていました。これが、夕方になると想像以上に肌寒いのです!

旅行中はたくさん歩き回って汗をかくのではないかと予想していたのに、むしろ汗はちっとも出てきませんでした。綿麻の着物に麻の襦袢、さらに暑さ対策でノースリーブのインナーを選んだのが裏目に出ることに……。夏の着物は基本的に暑いです。しかし「初夏に着物で肌寒くなるなんてあり得ない!」と決めつけていたのが、今回の失敗の原因ですね。たとえ着物でも初夏の山は肌寒いということがわかりました。

もしも次回の旅行で改善するとしたら、半袖のインナーを着ていくと思います。1枚でも袖があるだけで体感温度が違ってきますし、暑くなったときも汗を吸ってくれますから。洋装なら薄手のパーカーを持っていくと便利なのですが、和装の羽織ものは脱ぎ着すると荷物になるのが難点です。やはり帯付きは動きやすいので、インナーで上手く調整したいところ!


おまけ

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