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【後編】秩父銘仙の現代物の着物を買いました(逸見織物)

現代物の秩父銘仙の着物を着ている人

前回、逸見織物出張所で買った現代物の秩父銘仙が仕立て上がりました! 袷の季節が終わってしまう前に、急いでこの着物を秩父へ里帰りさせてあげなければ。というわけで、後編では仕立て上がった秩父銘仙をコーディネートして、織元さんへお披露目するまでの様子をご紹介します。



仕立て上がった現代物の秩父銘仙

仕立て上がった着物を手に持っている人
じゃーん!!!

こんな素敵なお着物が仕立て上がりました。

運命の出会いはいつ何時やって来るかわからないとはいえ、4月に袷のお仕立てを依頼するなんて我ながらどうかしていたと思います。夏日が続く昨今、世間の皆さまはすでに単衣を解禁していることでしょう。なんとか間に合わせてくださった着物屋さんに感謝しなければ!

着物は仕立て上がるまでに時間がかかるので、着るタイミングをよく考えて、余裕をもって計画的にお買い物しましょうね(自分に強く言い聞かせる……)。

現代物の秩父銘仙の着物

こちらの秩父銘仙は、経糸に緑みのブルー、緯糸にオレンジみのピンクが使われています。玉虫織の効果で、角度によって緑みが強く見える部分と、ピンクのヴェールがかかったように見える部分があります。着物を着用すると、人の体に沿って立体的になるので、こうした表情がさらに際立つんです!

あらまあ、なんて大きな花だこと! 大輪の薔薇がちょうど袖の真ん中に配置されるようにお仕立てされています。せっかく銘仙を着るなら、やはりこれくらいの大柄を楽しみたいもの。

着物の袖口から見える八掛

八掛は淡い色で、かつ暈しのため写真では白っぽく見えるかもしれませんが、着物と同系色のグリーンです。1着目の秩父銘仙とは印象の大きく違った着物が完成しました。


現代物の秩父銘仙の着物コーディネート

こんな爽やかなカラーの秩父銘仙は、春の着物コーデで活躍してくれそう。今回は季節が初夏に差し掛かり、日差しが強くなってまいりましたので、麦わら帽子×半幅帯で涼しげなコーディネートを考えてみました。

丹後ブルーの暈しの帯揚げと、イリデッセンスが見られる貝の帯留めは、どちらも”移ろい”を感じさせるアイテム。玉虫織の秩父銘仙は独特の光沢感があり、角度によって表情が変わるので、こんな帯小物と相性がいいのではないでしょうか。

半幅帯はお太鼓風に結んでいます。枕を使わず、名古屋帯よりも軽やかな着心地になるので、暑さ対策になります。さらに、着物の下の長襦袢は一足先に夏物を着て、少しでも涼しく。さて、秩父へ行ってまいります!


逸見織物さんに着物をお披露目してきた!

ちちぶ銘仙館の外観

ゴールデンウィークの秩父は、5月らしい爽やかな気候でした。まさに行楽日和! 青空と新緑が映えて、ちちぶ銘仙館の建物がますます美しいですね。

ちちぶ銘仙館の外観

この時期のちちぶ銘仙館は、春の銘仙館まつりの真っ最中。館内では秩父の織物にまつわる展示のほか、銘仙着物の虫干し、機織りや糸取りの実演といった特別なイベントが開催されています。

渡り廊下ではこんなふうに銘仙が虫干しされていました。カラフルなデザインが並んでいて楽しい!

織元の逸見織物さん

作り手である逸見織物さんとお会いして、無事に着物をお披露目できましたよ♡ これからもたくさん現代物の銘仙コーデを考えて、楽しく着たいと思います。

ちなみに、銘仙館のスタッフの皆さんは秩父銘仙に詳しい方ばかりなので「それは逸見さんの銘仙ですね!」なんて声をかけていただくことも。実演や展示の説明を聞いていると、ついつい着物トークがはずんでしまいます。秩父銘仙をお持ちの方は、ぜひ着物姿で銘仙館へ遊びに行ってみてくださいね。


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着物の小説『銘仙日和』

今と昔の秩父銘仙の生産者を、レトロなちちぶ銘仙館を舞台に描いた小説です。大正~昭和時代に銘仙の織り子として働いた女性たちのインタヴューを読み、おばあちゃんたちと対話したくなって書きました。こちらも冒頭部分を無料公開しています。


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