紗袷の着物は着られる時期に制限があるからこそ、却って着物ファンの心をくすぐる特別な魅力があります。とはいえ近年は初夏から非常に暑い日が続き、着るタイミングが難しいもの。
そんなとき、紗袷の着物コーディネートの幅を広げると、着るシーンの選択肢をさらに増やせます。たとえば、紗袷の訪問着をカジュアルダウンすると、きちんとしたパーティー以外でも着ていくチャンスが見つかるかも! ちょっと気合いを入れてお洒落したいときに紗袷を着られるようになったら嬉しいですよね。
この記事では、紗袷に合う袋帯と名古屋帯、それから薄羽織を使った着物コーディネートをご紹介します。紗袷の着回しで活用の機会を増やしましょう!
なお、紗袷の特徴や着る時期については、以下の星わにこさんのコラムで可愛らしいイラストとともに大変わかりやすく解説されています。
いち利モール 星わにこ連載コラム オトナの着物生活 「いつかは欲しい!憧れの紗袷(しゃあわせ)の巻」 |
わが家の紗袷
今回コーデに使うのは、わたしの祖母が娘(つまりわたしの母)のために仕立てた紗袷の訪問着です。
紗袷の着物コーディネート
ここからは、紗袷の着物コーディネートの実例をご紹介します。袋帯・名古屋帯・薄羽織との取り合わせで、パーティーシーンからカジュアルまで、幅広く着回していきます。
1.紗袷×礼装向け袋帯の着物コーデ
紗袷訪問着に、末広文様の礼装向け袋帯を合わせた、定番の取り合わせです。いわゆる訪問着の準礼装になります。
2.紗袷×薄羽織の着物コーデ
続いて、最初のコーデに薄羽織をプラスしました。帯付きでちょうどいい気候の日でも、パーティー会場までの道中は上着が欲しくなることもありますからね。
3.紗袷×シックな名古屋帯の着物コーデ
紗袷訪問着に夏の名古屋帯を合わせてカジュアルダウンした取り合わせです。シックなデザインの帯で落ち着いた雰囲気に。こちらのコーデにも薄羽織が合いそうです。
4.紗袷×カジュアルな名古屋帯の着物コーデ
紗袷訪問着にカジュアルな夏の名古屋帯を合わせた取り合わせです。帯はざっくりとした質感。訪問着とはいえ無地感にも見えるので、全体の雰囲気を調和させればここまで着回せそうです。
おまけ
この紗袷から着想を得て、着物を題材にした小説を書いています。「こんな紗袷があったらコーデしてみたい!」と思いきり妄想してみました! 作品の紹介ページもご覧になっていただけたらうれしいです。
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