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大人振袖に挑戦!33歳の誕生日に成人式で着た振袖にリベンジしてみた

大人振袖を着た人

33歳の誕生日を迎えました。わたしのラッキーナンバーは「3」なので、3がゾロ目になる年齢はなんだか嬉しい。特に意味はないけれど、お祝い気分で成人式に着た振袖を13年ぶりに着てみることにしました。

ちなみにこういうの、最近は“大人振袖”って呼ぶそうですよ!



33歳の誕生日の記念に大人振袖を着てみた!

大人振袖を着た人

振袖を自装するのは初めてだったので、着付け中は長い袖の扱いに慣れず、始終ドキドキしておりました。帯結びは二重太鼓です。ポーズまでいつもと勝手が違うので難しい。とはいえ今回が最初で最後ですから、まあいいでしょう!


30代の大人振袖コーデで工夫したポイント

いざ昔の振袖を羽織ってみると、想像以上に強烈な色柄のパワーにいきなり圧倒されてしまいました(笑) これだけ袖が長いと色柄の印象もうんと強くなるわけですよ。そんな振袖の勢いをなんとか制御するために、コーディネートで工夫したポイントをご紹介します。


1.思い切りコンサバな袋帯を合わせる

ちょっと意外だったのですが、結婚式に着て行くようなコンサバで重厚感のある袋帯を合わせると、程よく落ち着きが出て振袖を着やすくなりました。その反対に(たとえ振袖用の帯ではなかったとしても)カジュアル寄りのデザインの袋帯は瞬時に振袖の雰囲気と共鳴して、成人式に逆戻りしてしまいます。恐るべき振袖パワー! 強制的に大人振袖になってもらうには「さすがに渋すぎるかも?」と少し不安になる程度の袋帯を選ぶとバランスが取りやすいと感じました。なお、振袖と帯とで仲良く季節を超越しております。


2.帯周りで色の勢力図を変える

成人式で着る振袖の色使いは基本的に可愛らしいですね。わたしの振袖も、地の色はこんなに渋い紫色なのに、ぱっと目につくのは薔薇と桜の赤・白・ピンク……。これらの花模様から帯周りに色を拾ってしまうと、たちまち全身が可憐な色に支配され、あっという間に成人式へ逆戻りしてしまいます。そのため今回のコーデでは、あまり目立たない薔薇の葉から、清涼感のあるグリーンを拾ってみました。袋帯の芝草模様と、帯締め・帯揚げで緑の勢力を高めると、全体的に可憐な印象がやや弱まります。


3.使い慣れた小物でパワーアップ!

困ったことに、振袖に対してわたし自身の迫力が足りていません! そこで、普段から使い慣れているサングラスや金のワンハンドルバッグなどのアイテムを足して、装備をパワーアップしてみました。慣れない振袖に戸惑いつつも、身近な小物が加わるだけで緊張感がほぐれます。自分の記念日に着る大人振袖は、式典に出るための装いではありません。礼装の振袖とは違った着こなしができるチャンスでもあるので、お気に入りの小物と記念撮影してみてはいかがでしょうか。


成人式で着た振袖にリベンジした理由

この振袖は、二十歳の成人式に自分で選んだものです。とても気に入っている一着で……と言いたいところなのですが、実をいうと「今の自分ならもっと違うデザインを選んだのに!」と後悔が多々あるのです。そもそも当時はまだ着物に興味がなかったので、これといった考えもなく、なんとなく振袖を選んでしまったのでした。

そんな背景もあり、着物の世界にどっぷりハマってからというもの、過去の振袖姿を思い返してはため息をつく始末です。せっかく買ってもらったくせに、母には「おばあちゃんが選んだ振袖のほうが可愛かった!」とつい文句を言ってしまいます。わたしが振袖を気に食わないと言うたびに、母は「そんなことないよ、可愛いじゃないの……」と悲しそうにしていました。まったく情けないほどの親不孝者です。

ところが、最近になって考えを改めるようになりました。そんなに着物が好きなら、自分が納得できるような振袖コーデを今から考えればいいじゃないか。今年、わたしは33歳に、母は還暦になります。困りごとは大人の知恵で解決して、それから母に意地悪を言ってばかりでなく、できるだけ親孝行したいものです。そんな想いを込めて、もう一度この振袖を着てみることにしました。

祖母が母に選んだ振袖はたしかに素敵だけれど……。

なお、この振袖との因縁(?!)のエピソードは、着物のエッセー『週末着物の三年間』に書いております。虫干しで再会する度に「もう二度と袖を通すことはないだろう」と思っていた振袖ですが、こうして着る機会を作って良かったのかもしれません。


大人振袖のコーデで参考にした資料

今回の大人振袖コーデを考える上で参考にしたのが、月刊アレコレvol.221-222の特集「ライフステージで着る大人振袖のススメ(前後編)」です。本誌では、成人式の振袖とは一味違う大人の振袖姿に仕上げるためのテクニックが解説されています。また、還暦の大人振袖の実例がたくさん掲載されているので、これから記念に振袖を着たい方はぜひご一読を! なお、成人式で着た振袖を再び着るのでなく、ご自身のために新しく振袖を仕立てられた方もいるそうですよ。まったく振袖って、いくつになっても放っておけない存在ね!


おまけ

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