袖を切った振袖のコーデや着る場面【写真付】

袖を短く切った青い振袖

着物仲間が時々話題にする、振袖のお袖をどうするのか問題。

振袖の袖を切らない場合は、若い親族へ譲るためにそのまま残す道や、着物ショーやプライベートなパーティーなどで着る道が考えられます。

一方、袖を切った振袖は訪問着として生まれ変わり、より広くお出掛けで着られるようになります。この場合、そもそも袖を切る前提で振袖の柄行きを選んでいるはず。とはいえ、一度袖を切ってしまったが最後、もう後戻りはできませんから、なかなか勇気がいるものです。振袖はとりわけお袖の部分が華やかだからこそ、切ってしまうのはなんだか勿体ないように感じられます。

では、袖を切った振袖は一体どんな仕上がりになるのか? わたしの手元には、ちょうど袖を切った振袖がありますので、以下に写真を載せてみたいと思います。



袖を切った振袖の写真

袖を短く切った青い振袖の背中側

この着物は元々、母が成人式に着た振袖でした。譲り受けた時点ですでに袖が切られていたので、わたしは振袖としては着ていません。袖を切る判断をしたのは祖母だそうで、切った理由は不明です。ただ、祖母が大の着物好きだったことから、なにかしら考えがあって切ったのには違いありません。

青い着物の袖に白い鳥が飛ぶ模様が描かれている
画角の外へ飛んでゆく鳥

よく見ると鳥が画角を出てしまっていますが、短くなった袖のデザインには、それほどまでには違和感がない印象です。やはり袖を切る前提で選んだのでしょうか。余りぎれなどは見当たりませんでしたが、袖が長かった頃はこの続きに一体どんな柄が在ったのか、とても気になります。

青い着物の裾に白い鳥が舞う華やかな模様が描かれている
フランソワーズ・モレシャンによるデザインとのこと

想像するに、祖母は着物を着る人だったからこそ、娘にたくさん着てほしいと考えて、敢えて袖を切ったのではないでしょうか。あるいは、この着物は母の嫁入り道具の桐箪笥に入っていたので、嫁入り支度の一環として、袖を切ってほかの着物と一緒に持たせた背景もありそうです。


袖を切った振袖を着て行く場所

わたしはこの元振袖を着て、そこそこ色んな場所へ出かけています。

もっとも気に入っているのは、お正月の初詣で着ること。年にたった一回のイベントですが、そのインパクトを侮ることなかれ。毎年一度、確実に着るだけでも、一度も着ないのとはまるで違います。一年前の正月以来着ていなくても、袖を通せば「この着物、ついこの前に着たばかりじゃない?」くらいのヘビロテ感覚を味わえます。

それから、自分の誕生日に気分を上げたくて着ることも。親しい仲間内でのパーティーで遠慮なく着飾れるときや、着物仲間との派手コーデ合わせ会などでも選択肢に入ります。ちなみに、袖を切ったとはいえご覧の通り主役の着物らしい存在感が漂っているので、結婚式のようなフォーマルな場面では着ておりません。

なんの説明もなしにクリーニングに出したとき、悉皆屋さんが「元々振袖だったお着物ですね」と仰っていたので、やはり見る人が見たらすぐに元振袖とわかります。でも、色んな役割を経て大変身しちゃったりと、つい一言語りたくなってしまうようなエピソードが生まれるのも、着物の楽しみの一つですよね。個人的には、袖が切ってあったお陰で「着られるなら着なければ!」と適度なプレッシャーを感じて、意欲的に着られている部分も大いにあります。


袖を切った振袖のコーディネート

青い着物の上にモノトーンの帯を置いてコーディネートする様子

プライベートなパーティーに着て行くと想定して、元振袖のコーディネートを考えてみました。基本的に華やかさ増し増しなので、チーム・帯周りのみんなで協力して少し格を下げてもらうことに。この袋帯はきちんと銀が入っていますが、ややカジュアル寄りな印象なので、こういった微妙な場面に強いです。帯揚げは礼装用ではなく、元振袖の裾のあたりから緑を取っています。そして、銀糸入りの三部紐にパールの帯留めという、格を有耶無耶にしつつなんとかまとめあげる組み合わせ。自分自身のお祝い以外でも、元振袖をちょうど良い塩梅に着られそうです。

袖を短く切った青い振袖を着用する人

実際に着てバランスを見て、三分紐も緑にしました。


おまけ

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