お気に入りの着物を何枚も持っているなら、せっかくだからたくさん着てあげたいもの。どうしたら着物を着る機会をもっと増やせるのでしょうか？
毎週末に着物を着続けている筆者が、週に1回着物を着るライフスタイルや、マイペースに着物生活を続けるコツをお伝えします。
週1で着物を着る場合の週間スケジュール
着物の魅力の一つでもあり、そして着物生活を続けるハードルでもあるのが、着るにもお手入れにも手間がかかること！ 慣れてくると面倒だからこそやりがいを感じる側面もあるのですが、週に1回着るだけでも少なからずライフスタイルが変わるはず。
たとえば、毎週土曜日・日曜日に着物を着る筆者は、毎週こんなスケジュールで過ごしています！
着物でお出かけする前日には、コーデを考えたり箪笥から必要なアイテムを出したりして準備をします。当日の朝に準備をしても構わないのですが、メイクやら着付けやらで意外とバタバタするので、今では前日までにじっくり楽しみつつ準備をするのがルーティンになりました。
楽しく着物を着た後は、丸1日干してしっかり乾燥させてから、翌日に畳んで再び箪笥にしまいます。さらに着る頻度が高い方は、クローゼットにハンガーで簡易的に掛けておくなど、着物や帯を取り出しやすいよう工夫されているようですね。わたしの場合は週末に着るだけで特に無理がないので、今のスタイルが定着しています。
着物を着て出かける場所
週に1回コンスタントに着物を着るとなると、着物でお出かけする場所の選択肢も増やしたいですね。そこで、自身の2022年～2023年の着物生活を振り返り、過去1年間に着物でどんなお出かけをしたのかを、グラフにまとめてみました。なかでも特に割合が高かったのは、和食店（20%）・美術館（17%）、着物店（15%）です。
なぜこれらの場所へ着物で行く頻度が高いのか？ 自分なりに理由を挙げてみます。
和食店
毎月、着物で和食店へ行き、月替わりのコース料理をいただいています。お店の方が考えた季節感のあるメニューの数々に、こちらも季節感のある着物コーデで挑むのが楽しい！ 時には、素敵なお料理から着物コーデのヒントを得ることも、あったりなかったり？！
美術館
浮世絵に美人画、アンティーク着物など、美術館には着物にまつわる展示がたくさん！ 着物のお客さんもそこそこいるので、色んな方のコーデをチェックできます。美術館によっては着物で行くと割引を受けられるので、「着てきてよかった！」とお得な気分に。
着物店
いつもお世話になっているお店では、店員さんもほかのお客さんも着物姿なので、却って洋服でお店へ行くのが照れくさくなってきました……！ 気になる反物を試着したくなったら、着物の上から着装してもらえるので、問題なくお買い物を楽しめます。
マイペースに着物生活を続けるコツ
週にたった1日着るだけでも、なかなか手間のかかる着物生活。もはや、誰もがいつどこで挫折してもおかしくない状況に置かれています。そんな着物生活をマイペースに続けるにあたり、着物を着る機会を増やすために工夫していることをご紹介します。
苦手なことに手を出さない
とにかく、着物のすべてを完璧にやろうとしない！ 結局はこれが大切だと思います。素直に「楽しい」と感じられない部分があれば、そこは必要最低限の努力でいきましょう。わたし自身も、半衿の付け替えと複雑な帯結びは潔く諦めることにしました。（笑）
全天候対応へ優先的に取り組む
せっかく着物を着るつもりだったのに当日の天候に恵まれないこと、残念ながら今後も頻繁に起こります。雨ゴート・雨草履・化繊の着物は、初めのうちに揃えてしまうのがおすすめです。雨を理由に着物でお出かけのチャンスを逃さないで！
季節の変わり目は木綿で乗り切る
季節の変わり目に着るものがないと、容易く挫折への道が開かれてしまいます。特に、じっとりと暑くて天気が荒れやすい春の終わりや秋の入り口には、季節感を気にせず着られる木綿が1着あると便利です。もう汗も湿度も突然の雨降りも怖くない！
着物仲間とのお出かけにこだわらない
着物仲間とのお出かけはとっても楽しい！ でも、着物で一緒に出かけられるのは、着物仲間だけではないはず。着物を着ない方とのお出かけにも、着物を着て行ってしまいましょう！ 一人でお出かけするのもいいですね。着物でお出かけのチャンスがさらに増えます。
ついでに着物で出かけてしまう
「わざわざ着物で行くほどでも……」と思う些細な用事があって、着物を着るべきか迷っていないでしょうか？ スーパーで買い出しをする予定や、選挙で投票所へ行く予定。着物でお出かけしたついでに、そのまま行ってしまいましょう！ ただのついでだから大丈夫！
おまけ
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着物のエッセー『週末着物の三年間』
毎週末に着物を着る生活をエッセーに綴りました。着物を着る方には、きっとクスッと笑ったり共感したりと、一緒に楽しんでいただけるはず！ お気に入りのコーデ写真（白黒）も掲載しています。冒頭部分を無料公開しているので、ぜひご覧ください。
着物の小説『銘仙日和』
今と昔の秩父銘仙の生産者を、レトロなちちぶ銘仙館を舞台に描いた小説です。大正～昭和時代に銘仙の織り子として働いた女性たちのインタヴューを読み、おばあちゃんたちと対話したくなって書きました。こちらも冒頭部分を無料公開しています。
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