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箪笥で眠っていた黒紋付を着てみた!着物仲間と紋付パーティー

わが家には、祖母がわたしの母の嫁入りのために用意した黒紋付の着物があります。紋付ってぴりっとした雰囲気がとても格好いいのですが、ほとんど着る機会がないんですよね。

ところが、昨今は着物ファンの間で黒紋付を趣味の場面で着るブームが来ているそうではないですか……! せっかくなので、着物仲間同士で紋付パーティーを開催して、わが家の黒紋付に数十年ぶりに日の目を見てもらいましたよ。

今回は、黒紋付の着物を私的な着物パーティーで着る、カジュアルな場面でのコーディネートをご紹介します。

♡ご注意♡
この記事でご紹介する紋付着物のコーディネートは、一般的な礼装の場面に適した着方とは異なります。紋付の着物を式典などで礼装として着用される場合は、着物の格について解説する専門の書籍をご参照のうえ、参加される会の主催者の方へご相談ください。


黒紋付のコーディネート(カジュアル)

今回の黒紋付のコーディネートでは、着物雑誌「月間アレコレ」の提案を参考にしました(※参考資料)。着用場面としてはカジュアルになりますが、紋付らしい格好良さを保ったまま、華やかな雰囲気で着られるように工夫してみましたよ。

黒紋付は裾に模様がないので、上半身だけでしっかりと明るい印象を作りたい。というわけで、小物類にはできるだけ明るく華やかな色柄のアイテムを取り入れました。ちなみに、帯周りから半衿まで全て祖母が揃えたものです。なかでも刺繍半衿は日頃の着物コーデではほとんど出番がなかったので、この機会に活用してみました。このへんでお遊び感が出せましたでしょうか。

帯は袋帯ですが、色柄が軽めなものを選びました。試しに色んな帯を乗せてみたのですが、やはり金銀や格式の高い文様と合わせると、礼装由来の圧がすごい……! 今回の私的なパーティーでは、年上のお姉さまたちとお会いするのもあり、妹分として甘える気持ちを出して可愛らしいピンク色をチョイスしております。

裾まで画角に入るように、少し離れて撮影してみました。改めて、裾に模様が入っていないと迫りくる黒の威力を感じますね。いつもの着物コーデとは一味違った特別感があります。

♡ご注意♡
この記事でご紹介する紋付着物のコーディネートは、一般的な礼装の場面に適した着方とは異なります。紋付の着物を式典などで礼装として着用される場合は、着物の格について解説する専門の書籍をご参照のうえ、参加される会の主催者の方へご相談ください。

【POINT】会場までの移動は羽織物があると安心

今回は、着物仲間との私的なパーティーのために紋付の着物を着用しています。そうはいっても、街中にいる方たちは趣味で紋付を着る物好きの事情をご存じありませんので、会場までは明るい色のコートを着用して移動しました。黒一色でなくなるだけで人目につきにくくなるのでちょっと気が楽。


黒紋付を着て着物仲間とのパーティーへ

さて、こちらが秘密の紋付パーティーの様子です。着物仲間と黒留袖&黒紋付で集まって、普段はできない特別な着物コーディネートを楽しみました。大好きなお姉さまたちと並ぶと、「かわいこぶってピンク色にしてよかった~♡」と思います。

このまま箪笥に放置していたら、生涯着る機会がなかったかもしれない黒紋付の着物。でも、着物仲間と一緒に自分たちで着る場面を作ったら、いい思い出になりました。お互いの紋付コーデについてあれこれ話す時間はめちゃくちゃ楽しい。家紋の話で盛り上がったりなんかしてね。また着物好きな方たちと紋付パーティーができたらいいな♡


参考資料

最後に、今回の黒紋付のコーディネートを考えるにあたり参考にした資料をご紹介します。ぜひこちらも併せてご覧になってみてください。


1.「見て見て見てー 喪服・黒留袖をおしゃれに着るお手本!」(きものトレンドチャンネル)

東京キモノショーで展示されたトルソーで具体例を見ながら、黒紋付や黒留袖のカジュアルなコーディネートを学べます。


2.「“喪服”の正式名称は“黒紋付” 喪以外でも着用可能です!」(きものトレンドチャンネル)

黒紋付の着物の歴史や、現代でも黒紋付がお祝いで着られている場面の具体例など、基本的な情報を学べます。


3.「【初コラボ】喪服ではなく「黒紋付」きものトレンドチャンネル細野美也子さんと歴史や紋についてお話しいたしました。」(きものKAPUKI)

黒紋付の着物をファッションとして楽しむ昨今のムーブメントや、家紋についてのマニアックな話を、楽しみながら聞ける対談です。


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