2021年3月13日、きものこすぎさん主催で「デニム着物ライブペイント」が開催されました。わたしは当日、完成した着物をお披露目するモデルの役割で参加しています。会場で着物ができあがって、コーディネートが決まるまでを間近で見せていただきました。そんな素敵なイベントの様子をご紹介します。
ダイジェスト版動画
デニム着物ライブペイントとは?
デニム着物ライブペイントは、きものこすぎさん主催のイベントです。開催場所は、埼玉県熊谷市にあるシェアスペース「トナリノ、」さん。アーティストのHaruka Sakuraiさんが動画配信中にリアルタイムでデニム着物に絵を描き、イベント中に仕上げます。そして、完成した着物をモデルが着用してお披露目するという内容です。
きものこすぎさんは埼玉県熊谷市にある呉服店で、わたしがお世話になっている近所のお店です。完成した着物を着用する役にお誘いいただいたとき、それはそれは舞い上がりましたよ。だって一点物の、それも出来あがったばかりの着物を最初に着る役なんて、当然やってみたいですもの! 着物好きな人たちって、珍しいものや貴重なものを物怖じせずに着てしまえる豪胆さがあって、潔いなと思うことがよくあります。自分も例にもれず、イカした着物を目の当たりにすると、遠慮するよりも先に「着てみたい!」とテンションが上がってしまう性質なのです。そんなわけで、勢いにまかせてイベントの参加を快諾しました。
ライブペイントがスタート!
13日のAM10時、さっそくYouTubeで現場の様子を伺います。すると、Harukaさんが白いペンで生地に下書きをしているところでした。今回ペイントを施すデニム着物は、暗めのブラックデニム。しばらく視聴しているうちに、描いているのは植物のカラーで、色使いはモノトーンだと判明しました。一体どんな着物に仕上がるのでしょう。そして、どのようなコーディネートになるのでしょうか……ソワソワしながら見守ります。
さて、なんの考えもなくお披露目役を引き受けてしまいましたが、実はデニムは自分に似合わないと感じる素材の筆頭です。洋装ではまず選ぶことはありません。でも、ライブペイントの進捗を追ううちに「この路線なら案外いけるんじゃない?」と希望が見えてきました。デニム着物はカジュアルな服だけれど、こうして絵が入るとまるで訪問着のような、フォーマルな雰囲気が漂ってきますね。
ようやく着物が完成
![植物のカラーと蝶が描かれた着物の生地](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint01-1024x768.jpg)
わたしが会場に到着したのは、Harukaさんが作品を完成させた直後だったようです。ちょうど彼女がサインを書き入れているタイミングで、ようやく着物と対面しました。名前が入った瞬間、デニム着物が一つの作品として作家の手を離れたかのよう。先ほどまで動画配信でも見ていた着物ですが、やはり実物は迫力が違います。デニム地にざらっとした絵の具がのっていて、少し離れたところから見ても立体感が。全体にわたって白でカラーの花が描かれていて、左の袖には金色の蝶がいます! この蝶、当初は花と同じ白で描く予定だったそうですが、その場の思いつきで金色に変えたのだと、Harukaさんが教えてくれました。作品のチャームポイントですね。
みんなでコーディネートを考える
![着物の上に複数の帯や帯留めが置かれている](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint05-1024x768.jpg)
自宅で動画配信を見ながら、着物に合うメイクと小物を考えていました。モノトーンの着物に合わせて、メイクでも色使いは控えめに。草履はグレー×ブラックのツートンカラー、帯締めはモノトーンのものと、それから差し色になりそうなものをいくつか持っていきました。会場にはこすぎさんが用意した帯や小物があるので、わたしが持ち寄ったものも含めて、みんなでコーディネートを考えます。
着物を引き立てるために、帯はオフホワイトの半幅帯が選ばれました。カジュアルなデニム着物には、やはり気軽な半幅帯が似合いそうです。蝶の金色と揃えて、ゴールドの台座にパールが並ぶシンプルな帯留めを。デニム着物の縫い目が深みのある赤色だったので、帯締めはボルドーに。こうしてコーディネートが決まりました。ライブペイントから生まれた着物だけでなく、あのコーディネートもまた、現場のライブ感のなかで生まれたものです。
お披露目では、カメラ側にいるみなさんが監督気分で和気あいあいとされていたので、わたしも硬くならずに済みました。映像で見ると真面目な空気が漂っていそうですが、案外ゆるくやっていたんですよ。配信を見た方から「蝶がちらりと見えるのにぐっときた」という声をいただきました。着物のチャームポイントをしっかり見せられたようで何よりです。
今回のコーディネートでは半幅帯を合わせましたが、後日こすぎさんと話していたなかで「きっとシルバーの袋帯も似合う」という意見が出て盛り上がりました。カジュアルなデニム着物ですが、訪問着ふうの柄行なので、あえて格の違うものを組み合わせて遊んでみても楽しそうですね。
デニム着物ライブペイントの全編動画
7時間にわたる配信の様子をご覧いただけます。お披露目のシーンは5:58:18頃~、6:05:01頃~の計2回です。ぜひ映像と写真で完成した作品をご覧になってみてください。
デニム着物ライブペイントの写真
第1回デニム着物ライブペイント
![](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint05-1024x768.jpg)
![植物のカラーが描かれた着物の裾](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint06-1024x768.jpg)
![](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint04-1024x768.jpg)
![着物に書き込まれた作家のサイン](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint03-1024x768.jpg)
![](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint02-1024x768.jpg)
![](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint01-1024x768.jpg)
第2回デニム着物ライブペイント
![海の生き物が描かれた着物を着用する人](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint07-683x1024.jpg)
![着物の裾にタコが描かれている](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint09-1024x768.jpg)
![着物の後ろに魚の大群が描かれている](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint10-1024x768.jpg)
![](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint08-768x1024.jpg)
第3回デニム着物ライブペイント
![鯉の滝登りが描かれた着物を着る人](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint14-768x1024.jpeg)
![着物の左肩に龍の顔が描かれている](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint11-1024x768.jpeg)
![](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint12-1024x768.jpeg)
![着物の裾に滝を登る鯉が描かれている](https://315meow.com/wp-content/uploads/2021/03/livepaint13-768x1024.jpeg)
おまけ
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