9月に入っても着物ファンを悩ませる暑さが続きます。でも、きっと秋はすぐそこまで来ているはず! なかなか衣替えができずにいるこの時期は、銘仙の展覧会で一足先に秋の気分を味わってみてはいかがでしょうか。
今回はちちぶ銘仙館ギャラリーで開催中の「秋めくメイセン展」へ行ってきました。会場のちちぶ銘仙館は各駅から徒歩圏内なので、日帰りの秩父旅にもおすすめですよ!
【イベント詳細】 会期:2024年9月8日(日)~10月10日(木) 開催場所:ちちぶ銘仙館ギャラリー |
こっくりと鮮やかな銘仙で秋を感じる展示
深みのある色に、鮮やかな色。そして、菊や葡萄といった秋のモチーフ。銘仙のデザインは秋も相変わらず豊かです。
こちらの銘仙の、併用絣の菊尽くし文様を見てください!
使っている色数が豊富で、まるで筆で描いたかのようです。これらを型染で表現しているなんて驚き!
この一角には深い紫色の銘仙が集まっていました。秩父銘仙らしい雰囲気の、植物文様の着物ですね。
この文様は何かしら? キャプションによると、アール・デコ調で表現された柿とのことです。人目を引く大胆なデザイン。紫のグラデーションで表現された葉との対比も面白いですね。
左側は葡萄文様の銘仙、右側は葡萄唐草文様の銘仙です。葡萄といえば秋の定番のモチーフ。特に左の葡萄はみずみずしい色使いから、ジューシーでおいしそうに見えます(食いしん坊!)。
羽織も何点か展示されていました。着物の世界では、羽織の着用期間を“紅葉が色づく頃に着て、桜が咲く頃に脱ぐ”なんて表現することも。秋から着始めるのにぴったりな紅葉文様の羽織、心惹かれます。
八重菊文様の半併用絣の銘仙です。絵柄と重なるように絣が入っているのに加えて、赤い丸で示した白い菊には金糸が施してあります。きらきらっとゴージャスな秋の装いです。
今年は9月後半まで暑さが続いたので、そろそろ秋らしい着物に触れて気分転換したいと思って着物ファンも多いはず。「秋めくメイセン展」は、秋を感じる日帰り着物旅におすすめの展覧会でした。
秩父織物を学べる常設展
ちちぶ銘仙館は、ギャラリーの企画展以外にも着物ファンにとって見どころの多い施設です。館内には動態保存されている現役の機器や、秩父織物の歴史を学べる資料があります。秋の着物日和には、銘仙を鑑賞しにお出かけしてはいかがでしょうか?
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