秩父地域には、今なお銘仙を織り続けている織元さんがあります。そのなかでも、1927年の創業以来、長らく銘仙の歴史を支えてきたのが老舗織元の「逸見織物」さんです。
ちちぶ銘仙館ギャラリーでは、そんな逸見織物の歴史を実物の着物を見ながら学べる「逸見織物の歴史展」が開催されています。今回は、愛用している逸見織物の銘仙を着て、展覧会へ行ってきました!
【イベント詳細】 会期:2024年11月16日(土)~2025年1月13日(月)※年末年始休館あり 開催場所:ちちぶ銘仙館ギャラリー |
秩父銘仙老舗「逸見織物」の歴史を学べる
展覧会の会場に並ぶたくさんの着物は、どれも逸見織物で制作されたもの。メインビジュアルの百合文様の銘仙や、会場の正面に展示されている薔薇文様の銘仙は、現在人気のデザインだと伺いました。
今は三代目の恭子さんが織物の事業を継がれています。着物の作り手が減っている中で、お祖父さまの想いをつないでこの仕事を始めたエピソードにぐっときます……。
大柄の矢羽根文様、立桶文様の銘仙が並ぶ一角。トルソーコーデも含め、クラッシックな雰囲気のザ・銘仙ですね。
そのお隣は、蝶と花文様のラブリーな銘仙です。これは帯選びが楽しそうな一着。左側には同じ柄で色違いの反物が展示されています。個人的に、同じデザインで色違いの銘仙を見比べるの、好きなんですよねぇ。
作家の宇野千代さんと逸見織物との協業について解説するパネルもありました。トルソーは桜文様の紬のエレガントなコーディネートです。
会場には秩父銘仙だけでなく、お召や秩父大島などの、銘仙の展覧会としてはちょっと珍しい織物もありました。長い歴史の中で、銘仙に限らず幅広い織物を手掛けてきたことがわかります。
現在、逸見織物で商品として販売されている反物や小物は、秩父ふるさと館内にある「逸見織物出張所」でご覧になれます。
右側の写真でわたしの隣にいらっしゃるのは、本展覧会のキュレーターであるmeisen_boyさんです。ご自身で制作された銘仙の着物を着ていらっしゃいます。メンズの銘仙の着姿もいいですね!
ちちぶ銘仙館ギャラリーでは、今後もさまざまな企画展が予定されているとのことです。着物好きな方が秩父へ日帰り旅行をするなら、銘仙館で展示をご覧になってはいかがでしょうか。また遊びに行きたいな♡
逸見織物が手がけた秩父夜祭の揃い着
「逸見織物の歴史展」では、秩父夜祭の揃い着も展示されていました。秩父夜祭の揃い着は、逸見織物をはじめとした地域の織元さんが手がけているそうです。
展覧会を見た後、実際に秩父夜祭へ行ってみると、町中で着姿を見つけました! 展示されていたのと同じ揃い着です。改めて、秩父の織元さんたちが地域の伝統文化を支えていることを実感しました。
【おまけ】愛用しているバラ文様の銘仙
「逸見織物の歴史展」に展示されている黒地にバラ文様の銘仙は、わたしが愛用している銘仙の色違いなんです! 自分が着ているのと同じデザインが展示されていると、なんだか嬉しいですね。
バラ文様は人気のデザインだそうで、今でも色んなパターンを織っているそうです。色違いでこれだけ雰囲気が変わるので、お好みに合うものを探してみてはいかがでしょうか?
SNSで着物コーデを投稿しています。ぜひフォローしてください!
着物のエッセー『週末着物の三年間』
毎週末に着物を着る生活をエッセーに綴りました。着物を着る方には、きっとクスッと笑ったり共感したりと、一緒に楽しんでいただけるはず! お気に入りのコーデ写真(白黒)も掲載しています。冒頭部分を無料公開しているので、ぜひご覧ください。
着物の小説『銘仙日和』
今と昔の秩父銘仙の生産者を、レトロなちちぶ銘仙館を舞台に描いた小説です。大正~昭和時代に銘仙の織り子として働いた女性たちのインタヴューを読み、おばあちゃんたちと対話したくなって書きました。こちらも冒頭部分を無料公開しています。
Online Shop