細身の人が身長に合わせてプレタの着物を買うと、身幅が余ってちょっと着こなしが難しいですよね。普段は着物を着ない夫とお出かけするために、プレタの着物を着せてあげたのですが、サイズ感が合わなくてかっこよく着せるのがなかなか難しい……。そこで、だぶついた感じを和らげるために、簡単に腰回りの補正をしたところ、なんだかいい感じの仕上がりになりましたよ!
今回は、男着物の補正によって見た目がどう変わるのか、写真で比較した様子をご紹介します。
男着物の補正あり・なしを比較
夫に協力してもらって、男着物の補正なし(写真左)・補正あり(写真右)を比べてみました。なお、腰回りにタオルを2枚分巻いています。
まずは正面から。全体的な印象にはほとんど違いがないものの、補正ありのほうは角帯がなだらかな弧を描いています。
横から見るとこんな感じ。こちらもほとんど変わりませんが、角帯を結んだときお腹に自然とフィットするような角度がつくようになり、すっきりとして見えます。
横向きで腕を上げてもらうと、ここには大きな違いがありました。寄せても寄せても脇から戻ってくるシワが、補正によってほとんど目立たなくなっています。
写真だとややわかりづらいのですが、個人的には背中側にも大きな違いを感じました。補正によって腰とお尻の段差が埋まることで、角帯の上に出る布の余りが気にならなくなっています。
補正なしのほうには、たゆ~んとしている部分があります。長時間着ていると、ここがどんどん出てきちゃうのよね……。凹凸が控えめになり、このあたりの着崩れも少なくなりそうです。
男着物の補正の方法
夫は年に1回しか着物を着ないので、専用の補正具は使わずに、すでに家にあるものだけで補正しました。
【使ったもの】 ・腰紐 ・フェイスタオル(※横に半分に折った状態) ・マフラータオル |
細身の男性の補正に使うなら、長さはマフラータオルくらいがちょうどよさそう。多くのお宅にライヴグッズなどで購入したマフラータオルがあるのではないでしょうか。
ちなみに、写真のマフラータオルはわたしがG-SHOCKのファンイベントでもらったもの。これまで大事に大事に取っておいたのに、まさか初仕事が夫のお腹のサポートになるとは!
巻き方はこんな感じ。フェイスタオルを横に半分に折って、マフラータオルの中心に重ねます。この状態でマフラータオルをぐるっと腰回りに巻きつけ、腰紐で固定して、紐をからげたら完成です。苦しくならないように、腰紐はきちんと広げて、ふわっと巻きました。また、今回は襦袢Tシャツの上から補正をしているのですが、この時点で胸周りがシワにならないように整えています。
念のため「暑かったり苦しかったりしない?」と確認したところ、「なんかフワフワでいい感じ」とのことでした。(笑)
おまけ
こちらは、夫を補正してみようと思い至ったきっかけの写真です。
プレタ着物の身幅が余って頭を抱えていたとき、普段は着物を着ない夫が「じゃあ補正すればいいじゃん!」と言いました。当時のわたしには“男着物は補正しない”という固定観念があったので(まったく、人が悩んでいるときに冗談を言って……)と呆れてしまったのですが、実はこの発言をした夫は真剣そのもの。何故なら、彼は大昔に撮った結婚写真で、着付けのプロによる男着物の補正を経験していたのです。
結婚写真の撮影から何年も経っていますが、このとき夫が補正していたことは数日前に初めて知りました。それにしても、着物の世界では固定観念にとらわれず、まずはなんでも調べてみなければいけないなあと痛感した次第です。
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