今回は、熊谷市にある「片倉シルク記念館」へのお出かけです。こちらの施設は、片倉工業株式会社が運営しており、養蚕・製糸業の歴史を実物の機械を見ながら学べる展示内容となっています。着物が好きならもちろん絹も好き♡というわけで、ご近所ですが改めてじっくりと見学してみましたよ。

片倉シルク記念館の建物は、「イオン熊谷店(熊谷片倉フィラチャー)」の敷地内にあります。「なぜお店の中にあるの?」とちょっと不思議な感じがしますが、かつてイオン熊谷店の敷地には片倉工業株式会社の熊谷工場があったのです。


店舗駐車場のすぐ脇にある大きな2棟の建物が、片倉シルク記念館ですよ。これらの建物は、もともと熊谷工場で繭を貯蔵する倉庫だったそうです。

ちなみに、イオン熊谷店(旧:熊谷サティ)はわたしが小学生の頃にプリクラを撮りに通った思い出深いお店でもあります。熊谷は埼玉県北部が誇る大都会ですから、ここへ行けば最新の機種があったんですよね。平成生まれあるあるでしょうか?(笑)
まさか将来、着物姿で見学へ来ることになるとは!

建物の入口には経済産業省「近代化産業遺産」のプレートがありました。片倉シルク記念館は平成19年度に認定を受けているそうです。製糸業は日本の近代を支えた重要な産業ですものね!

館内の展示物は撮影+公開ができませんので、最後に入口の写真を。
片倉シルク記念館の展示の見どころは、かつて製糸業で使われていた実物の機械を見ながら歴史を学べる点です。個人的には、当時の熊谷工場で働いていた従業員のリアルな仕事ぶりが見えるところに強く惹かれました。働く女性たちが、各工程をどんな想いで担っていたのか、仕事の難しさや真剣さが伝わってきて胸が熱くなります……!
熊谷工場は、かの有名な「富岡製糸場」が停止した後もしばらく操業を続けた、片倉工業株式会社の最後の製糸工場でした。働く人の顔が見える展示を見終えると、思わず「ありがとう、お疲れさまでした!」と言いたくなります。

もう1棟の建物は、主に養蚕の道具などが展示されています。こちらの建物は「蜂の巣倉庫」と呼ばれる特殊な作りをしていて、当時は天井にあるたくさんの縦穴を使って繭の蔵出し作業を行っていたそうです。展示物と併せて、建物そのものもご覧になってみてください。

また、片倉シルク記念館の入口へと続く道のりには、写真のように瓦を埋め込んだ飾りがありました。この瓦は、かつて繭倉庫の屋根に使われていたものだそうです。記念館を訪れた際は、足元まで忘れずにチェックしてみてくださいね。

施設の方に教えていただいたのですが、建物の脇にある小さなお庭には、お蚕さまの食べ物である桑が植えられています。養蚕のために剪定される畑の桑と比べると、ここにある桑の木は大きく育っているそうです。
そんなわけで、今回はわが家のご近所にある着物関連のスポットへ改めて足を運んでみました。着物好きな方は、熊谷へ遊びに来たついでに片倉シルク記念館へ足を運んでみてはいかがでしょうか。夏場は暑いですから、しっかりと熱中症対策をしてお越しください♡
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