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秩父の「第4回銘仙展」へ行く【写真付レポート】

「第4回銘仙展」の会場に立つ人

「リトリートフィールドMahora稲穂山 森の美術館」で開催されたイベント「第4回銘仙展」へ行ってきました。会場は山の上のちょっと高い場所にあります。「今年も無事に山をのぼれるかな……」とドキドキしながら秩父までドライブしてきましたよ♡

【イベント詳細】
会期:2025年2月14日(金)~2025年3月17日(月)10:00-16:00
開催場所:リトリートフィールドMahora稲穂山 森の美術館
リトリートフィールドMahora稲穂山の風景

無事にのぼれてほっと一息。いい眺めですよね。美術館の隣にはキャンプ場があります。


壁一面にずらりと並ぶ銘仙

「第4回銘仙展」会場に展示される銘仙着物

会場に入ると、壁一面に銘仙がずらりと並んでいます。この光景を見ると「山道をのぼって来た甲斐があったなあ……」と喜びも一入。平地のドライバーには険しい道のりでしたが、ご褒美に銘仙が見られるなら何度でも上りたくなります♡(笑)

展示されている着物は、出展者の皆さんで話し合って選んだそうです。賑やかで、楽しく選んだことが伝わってくるチョイスでした。

こちらの破れ麻の葉文様の銘仙には、玉虫織の技法が使われています。右側の写真のように、生地の反射によって赤っぽく見える部分と、青っぽく見える部分があります。個人的に玉虫織の銘仙が好きなので、見つけると嬉しくなります。

こちらの併用絣の銘仙には、細い線で縁取られた絵柄の背景に、まるでホログラムのような表現が見られます。はっきりとした部分と、色とりどりのぼやけた光のような部分の対比が面白いですね。

「第4回銘仙展」に展示される銘仙のねんねこ

銘仙の着物から作り替えたと思われる「ねんねこ(=子どもを背負うときに着た半纏)」もありました。銘仙が人々の暮らしとともにあり、古くなってからも色んな形で活用されていたことがわかります。

「第4回銘仙展」会場に展示される銘仙トルソー

入口には大きな薔薇文様の銘仙振袖のトルソーがありました。こちらは現代に作られた秩父銘仙です。こんな振袖を着てみたい!


トークショー「ジオパークの視点から見る秩父の絹織物」

「第4回銘仙展」会場にて、2月23日に開催されたトークショー「ジオパークの視点から見る秩父の絹織物」に参加しました。出演は、秩父まるごとジオパーク推進協議会上席推進員の吉田健一さん、銘仙語り部の木村和恵さんのお二人です。

トークショーは、鉱物「絹雲母片岩(シルサイトシスト)」の存在を通じてお二人の活動がつながったエピソードから始まりました。なんだかロマンティックですね……。お話を聞きながら絹雲母片岩の実物を手に取って見せていただきましたが、なるほど絹と名のつく鉱物らしく、柔らかくちらちらと光っていました。

その後、地質学の吉田さんと銘仙着物の木村さんが、異なる分野を掛け合わせながら、秩父地域と絹織物の関係性を語ります。水田が作りにくい一方、桑がよく育つことから、養蚕が発展したこと。また、武甲山の石灰岩によって、横瀬川など秩父地域の河川には炭酸カルシウムが多く含まれており、絹織物がきれいに染まったこと。さまざまな地質の特徴が、銘仙の産地としての歴史と関わっているのですね。

帰り際に山の上から秩父の地形を見渡してみると、見え方が変わったように感じます。


養蚕農家や織元による展示・販売のブース

「第4回銘仙展」影森養蚕所の展示ブース

こちらは、秩父市の養蚕農家「影森養蚕所」さんの展示ブースです。養蚕の基本から、「影森養蚕所」さんの活動まで学べる内容となっています。まぶしの上にのぼっていくお蚕さまのフィギュアが可愛いですね(笑)

「第4回銘仙展」里の絹市ブース

秩父の織元さんや作家さんの販売ブースもあります。アンティーク銘仙・現代物の秩父銘仙を使ったファッションアイテムのほか、銘仙の元になった織物「秩父太織」もありました。

ちなみに、この日のわたしの着物コーデには、秩父銘仙のストールを使いました。着物に限らず、色々な形で銘仙を身に着けてみてはいかがでしょうか?

【イベント詳細】
会期:2025年2月14日(金)~2025年3月17日(月)10:00-16:00
開催場所:リトリートフィールドMahora稲穂山 森の美術館

銘仙展にちなんだMahora里カフェのランチ

Mahora里カフェのランチ

当日のお昼ごはんは、「Mahora里カフェ」さんでいただきました。季節のランチメニューは、銘仙展にちなんだ内容となっています。中央のお皿の彩りのよい「蓮根の利休饅頭」は、色とりどりの銘仙の文様をイメージしているそうです。

Mahora里カフェは、混雑が予測されるため予約推奨で、電話のみの受付となっています。「銘仙展」へ行かれる際は、野菜たっぷりなランチはいかがでしょう♡


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