ゴールデンウィークに着物で秩父へ遊びに行ってきました! 秩父銘仙にまつわるイベントが徒歩圏内で2つ開催されていたので、両方に足を運んでみましたよ。今回は2024年5月の「春の銘仙館まつり」と「秩父銘仙の紫展」の様子をご紹介します。
春の銘仙館まつり(ちちぶ銘仙館)
まずはちちぶ銘仙館へ向かいます。大型連休は車で秩父へ行くと大変道が混み合うので、可能な限り早めに出発するといいかも。わたしも早朝に着付けを済ませて、早い時間に秩父へ到着しました。
開館直後の、朝のちちぶ銘仙館。日差しが強いけれども風が涼しいので快適です。理想的な5月の着物日和でした。
例年この時期のちちぶ銘仙館では「春の銘仙館まつり」が開催されていて、ゴールデンウィーク期間中は特別なイベントがあります。
機織り・糸取り・捺染の実演イベント
こちらは、イベントでの機織り実演と繭の糸取り実演の様子です。高機を使って秩父銘仙を手織りする様子や、機械でくるくると糸を巻き取る様子を間近で見られました。ほかに、捺染の実演も行われています。
秩父銘仙後継者育成講座生徒作品展
館内のギャラリーでは、秩父銘仙後継者育成講座の生徒さんの作品が展示されていました。秩父銘仙の反物を着装してコーディネートされたトルソーが並んでいます。
宝石のカットのような幾何学文様から、伝統文様の花唐草や麻の葉、シンプルな縞まで。夏前の明るい館内で、爽やかな色使いのデザインが目にとまります。
銘仙着物の虫干し
館内の渡り廊下で所蔵品の銘仙の着物が虫干しされています。長い廊下にカラフルな着物が並ぶ美しさよ……。着物好きにとっては、アンティーク銘仙に囲まれていい夢が見られそうな光景です。
わたしも秩父銘仙コーデでうきうき廊下を歩いてみましたよ♪
秩父銘仙の紫展(秩父市チャレンジショップ『よりどころ』)
ちちぶ銘仙館を楽しんだ後は、徒歩で番場町へ向かって秩父市チャレンジショップ『よりどころ』へ。さらに追加で銘仙を見ちゃいましょう!
こちらでは「秩父銘仙の紫展」が開催されています。四大産地(足利・伊勢崎・秩父・八王子)のアンティーク銘仙のなかでも、紫色に焦点を当てたコレクションが展示されています。
古民家の入り口にある、銘仙のパッチワークで作られた暖簾が目印です。ちなみにこの建物は、かつての買継商通りで秩父銘仙の流通を支えた施設の一つだったそうですよ。
1階に展示されているのは、秩父で生産されたものと推定されるアンティーク銘仙です。
こちらはキュートな薔薇文様の銘仙。よく見ると花びらの部分は赤とビビッドなピンクで染め分けられています。また、ブロックごとに地と葉の紫/白が反転する凝ったデザインになっていますね。
こちらは写実的な柿文様の銘仙です。ひときわ深みのある紫色に惹かれました。植物の部分にグレーの陰影とポイントで赤が入るのみで色数が抑えられており、紫色の印象がより強く感じられます。
こんなふうに、1階では秩父銘仙を代表する紫色のバリエーションを見られます。紫色の染め方や色のイメージについて学べるキャプションや、アンティーク銘仙のトルソーコーデもありました。
2階では、秩父を含む四大産地のアンティーク銘仙が展示されています。写真左側は秩父銘仙、右側は足利銘仙です。どのコーナーにも紫色の着物が集められていますが、産地によって織り方の技法やデザインの傾向に違いが見られます。
「秩父銘仙の紫展」でちちぶ銘仙館の入館チケットを見せると、非売品のノベルティ(※画像左)がもらえます。フォトフレームに入れて、額装した秩父銘仙の隣に飾ってみました。
そういえば、わたしが持っている新啓織物さんの秩父銘仙も紫色。同じ紫色仲間のアンティーク銘仙をたくさん見られて嬉しかった!
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着物のエッセー『週末着物の三年間』
毎週末に着物を着る生活をエッセーに綴りました。着物を着る方には、きっとクスッと笑ったり共感したりと、一緒に楽しんでいただけるはず! お気に入りのコーデ写真(白黒)も掲載しています。冒頭部分を無料公開しているので、ぜひご覧ください。
着物の小説『銘仙日和』
今と昔の秩父銘仙の生産者を、レトロなちちぶ銘仙館を舞台に描いた小説です。大正~昭和時代に銘仙の織り子として働いた女性たちのインタヴューを読み、おばあちゃんたちと対話したくなって書きました。こちらも冒頭部分を無料公開しています。
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